こんにちは。
MIKIホームの武友です。
本日のテーマは「瑕疵担保責任」です。
不動産売買をされたことがある方や、今から不動産を売買されるために勉強している方などは知っているかもしれませんが
初めて耳にする方も多いのではないでしょうか。
不動産売買における重要事項説明書にも記載のある
重要なことになりますので契約後のトラブルなどを回避する為
事前に知っておきましょう。
1.瑕疵担保責任とは
売買の目的物に瑕疵(簡単に言うと欠陥です)があるときに売主が負う責任です
①「瑕疵」とは
売買契約の目的物に何らかの欠陥があることをいい
何が欠陥かは通常有すべき品質、性能が基準になる他
契約当事者がどのような品質、性能を予定しているかも考慮されます。
②「瑕疵の対象」
対象となるのは「隠れた瑕疵」であり、買主が通常の注意を払ったにも
係らず発見できなかった瑕疵であり
買主に過失があれば瑕疵担保責任は生じません
③「隠れた瑕疵」があった場合
売買の目的物件に「隠れた瑕疵」があった場合は
売主が瑕疵の存在を知らなくても、
また、知らないことに過失がなくても責任をしょうじます。
2.売主の瑕疵担保責任の効果
①瑕疵により買主に損害が生じている場合は、損害賠償請求ができます。
②瑕疵により契約目的が達せられない場合には、買主は契約の解除をする
ことができます。
3.売主の瑕疵担保責任の特徴
①瑕疵担保責任は売主の責任です。仲介業者は瑕疵担保責任を負いません
②瑕疵担保責任は、瑕疵の存在についてまったく責任がなくても
負わなければならない、無過失責任です。瑕疵の原因のある者が他にいて
も、売主の責任になります。
③瑕疵担保責任は、売買契約時に瑕疵が存在していた場合の責任です。
アフターサービスではないので、引渡し後の、自然災害などが原因の不
具合には瑕疵担保責任は生じません。
4売主の瑕疵担保責任を負う期間
①民法上では、売買対象物件に隠れた瑕疵があった場合には
買主が事実を知ってから1年以内であれば、瑕疵担保責任による
請求が可能です。
上記の通り瑕疵担保責任の起算点は「知ったとき」ですので
契約時や引渡し時ではないので注意してください。
例えば、引渡しから2年5ヶ月経ってから買主が瑕疵があることを知った場合
そこから1年以内であれば、売主に瑕疵担保責任があることになります。
判例では瑕疵担保責任も10年の消滅時効にかかるとした最高裁判決がありま
す。
ですが、契約書に特約を定めることで期間を短くすることは可能です。
契約書に「売主は引渡しから2年間瑕疵担保責任を負う」という様な
期間を定めた特約が入っていた場合、以降に買主は瑕疵担保責任の
請求ができ なくなります。
ただ、宅建業法や消費者契約法などで無効にされる場合もあります。
売主、買主双方が「商人」の場合は商法が適応されますので
この限りではありません。
②新築住宅の売買においては引き渡し時から10年間
構造上主要な部分又は雨水の侵入を防止する部分として制令で定めるもの
の隠れた瑕疵について瑕疵担保責任を負います。
③契約時特約で定められることの多い瑕疵担保責任期間
○売主、買主、共に個人:「引渡し日から3ヶ月」が通例
○売主、宅建業者・買主、個人:「引渡し日から2年以上」が義務
○売主、宅建業者・買主、個人:新築「引渡し日から10年」(一部)
契約では「引渡し日から2年」
○売主、法人・買主、個人:「引渡し日から1年」が慣例
5.瑕疵担保責任の範囲
瑕疵担保責任の範囲としてはそれほど多くなく
雨漏り
シロアリ
建物の主要構造部分の欠陥や腐食、
境界の不備
土地に埋まった埋設物など
がほとんどになります。
建物に関しては耐久消費財の部分(戸、窓、床、壁、建具など)は瑕疵担保責任の対象外となります。
6.瑕疵担保責任を免責できない場合
民法上は売主が瑕疵担保責任を負わない旨の特約をすることができます。
但し、以下の場合には免責されません。
①売主が宅建業者の場合
宅建業者が自ら売主となる宅地建物の売買においては引渡し日から
2年以上となる特約をする場合を除いては瑕疵担保責任を負わな
ければなりません。
②新築住宅の場合
新築住宅の「構造上主要部分又は雨水の侵入を防止する部分として
制令で定めるもの」の隠れた瑕疵については、最低10年間は
瑕疵担保責任が義務付けられています。
③消費者契約の場合
売主が事業者、買主が消費者の場合、瑕疵担保責任の免責はできません。
売主が消費者、買主が事業者
売主、買主、共に消費者の場合、瑕疵担保責任を行使できる期間を
著しく短くすることは消費者契約法でに反する可能性があります。